文明の利器が生んだKYファシズムとかハツメガネとか
2008-11-03(月) 12:04 | 三浦周時
もし、映画に携帯電話があったら。
まずはウィットに富んだ下の動画をご覧ください。
本の虫という20代男性の個人ブログで10月20日に紹介されていたものです。
往年の名作映画やシェイクスピアのロミオとジュリエットの物語が、始まってすぐ終わってしまいます。
本の虫で言われているとおり「映画には意思疎通の不備により、すれ違いが発生したりするものだ。そこでもし、すべての映画に携帯電話があればどうなるであろうか。」
ロミオとジュリエット効果(Wikipedia)という心理学用語がありまして、恋愛に限らず人間という生き物は困難が立ちはだかったほうが燃え上がったりムキになったりします。
当法人が提案する”ハツメガネ”はさまざまな種類の人(現在は軽度発達障害などが中心)や障害者が、健常者により近い水準で働くためのアイディアですが、便利すぎるとこの心理学的効果が薄れる場合もあるのかな、なんて思ってしまいました。
元はといえば、テクノロジーの進歩で便利なものがどんどん生み出されていくことはとてもいいことで、飛行機、鉄道、自動車は旅客輸送貨物輸送で革命を起こしましたし、携帯電話やインターネットは人間の意志の疎通や情報の共有で革命を起こしました(事実、テレパシーって言葉を聞かなくなったと思いませんか?)。
一方で、テクノロジーの犠牲者もいるわけで、携帯電話の使い方のマナーっていうのはこれから初めて携帯電話を持つ人には意外と敷居が高いわけですね。
30年以上前の映画館は明示的には禁煙ではなかった。タバコを吸ったからといって注意されたり出入り禁止になるほどのことはなかった。
今じゃ禁煙ではない場所を探すほうが骨が折れるし、電車の中で携帯を(メールだけとはいえ)使っている人もいるわけで、初めて携帯を持った人は、どこが携帯で通話をしてよい場所で、通話は駄目な場所でメールはOKな電車(東京メトロなど)があったり、メールはいいけどマナーモードにしなくてはならなくて、札幌のバスでは携帯の電源を切るようアナウンスがあり注意書きもあるが、携帯ゲームやワンセグで(イヤホンをつけて)スポーツ中継を見ている人がいて、混沌としたダブルスタンダードが眼前に繰り広げられるわけですね。
で、引きこもり生活から脱出したばかりの人、定年退職で人生ががらりと変わり新たな常識の学習が必要になった人、帰国子女、聴覚障害者、視覚障害者といった具合に、困難を感じる人はKYファシズム(場の空気-Wikipedia)という見えない敵と戦う羽目になるのです。
KYファシズムの話はキリがないのでここでは割愛させていただくとして、現代日本人に強迫観念を植え付けていることは確かで「じゃあ、どうしたらいいのさ」って話になるわけですね。
まだ、アイディアの段階で実現したものは皆無に近いといってしまえばそれまでですが、ハツメガネっていうのは上記のような人々(=文明社会に生きる全世界の人々)に何が助けになるかという話がまず大切なのです。
そういう意味では、楽しいモグラクラブはかれこれ7年もそんな話ばっかりしてきたんだなとつくづく思うのです。
実際に実行に移したものももちろんありますよ。
そりゃあもう、実験段階で知識や経験の蓄積で休止に入ったものとか沢山。NTTの開発部長さんも言ってました。成功した発明は氷山の見えてる部分で、実は失敗に終わった特許が海面下に何倍もの大きさで存在していると。
少なくとも、胸を張っていえるのはitkaiは成功例だということです。 私のような人間が働く方法があったんですから。