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平田さん(不思議な脳)

2009-04-05(日) 18:10 | 長沼睦雄

楽しいモグラクラブを始めた頃は、とめどもないおしゃべりをしていた平田さんですが、1年ほど前にとても深い瞑想に入った時に左脳を貫くような痛みがあり、その後3日間左脳の形がわかるようなズキンズキンとした感覚が続きました。

それからというもの、おしゃべりが少なくなり、自分の考えを図で示して何とかわかってもらえるように伝えることができるようになりました。また、このことがあってから泉のように創造性が湧いてきて、浮かんでくる映像を理論で伝えることができるようになり、体感し体得したことを論理的に言葉で伝えることが、少しはできるようになりました。

その後も、瞑想に入ると、左脳の中上部から熱のようなものが出て、左脳の上部から下側へまきこむ経路と、奥の方に行く草の根のような経路を、電気がパチパチと入っていくのが感じられたと言います。熱を持ったような感じが続き、瞑想すればするほどこの道が太くなる感じだったとのことです。

 平田さんは、身に危険が迫った時などに脳のスイッチを自分の意思で入れることができます。死ぬかどうかという時なのに「気」が100倍になったようなパワーが出て、怖いという感覚ではなくて、この人生で一番の幸せな気分になって喧嘩に入るのです。痛いという感覚もなくなり、血の廻りもよくなって肩こりも治ってしまいます。そのような時に、合気道で言う、「先の先、後の先」の感覚で、その人が「やるぞ~」と考え始めたその瞬間に予備動作なくパチンと相手を抑えこむことができると言います。

平田さんは、映像のように見える自分の考えを、別な客観的な映像のようなものでコントロールをかけながら見ています。それは意図的にコントロールでき、かってに見せられるのではないようです。外から「ひらめき」が瞬間的に入ってきたり、考えが声になったりすることは当たり前のことであり、「気」を入れると相手の思考が以心伝心で分かるようになります。そうして浮かんでくる考えは誇大妄想的かもしれませんが、新しいものを作り上げる時に必要なものなのです。

深い瞑想は、無意識の世界に入り現実に戻れなくなる危険性があるので行わないようにしているとのことですが、それほどでなければ、頭のなかで映像が暴走すれればするほど、それをまるで他者のように見て、荒馬に乗るように手綱をかけてコントロールすることができると言います。ユングの集合的無意識のような世界に入る時も、客観的なものがコントロールをかけており、危なくなったらすぐに入るのをやめることができるようです。そのあたりが、幻聴や幻覚を自分の意思でコントロールできなくなる統合失調症とは違う点だと思います。

発達障がい系の人の中で、何かの仕事に特化できる人とできない人の違いは、「現実をみる力」と「心をコントロールする力」があるかないかの違いかもしれません。平田さんは、考える事が言語ではなく映像や感覚である右脳タイプの人なのですが、左脳も突き抜けて働きだし理性の力が強くなったので、統合失調症にはならずに紙一重でバランスをとっている現実主義者なのです。

平田さんの脳にはワーキングメモリー(前頭葉性記憶)の弱さが生まれもってあり、この世(意識)で生きぬく為に、あの世(無意識)の智恵を手段として使っています。あの世の住人にもなれますが、自分自身を客観視し現実主義者としてこの世で生きています。直感的に物事を組み立てますが、理論の人以上に冷静に判断もできます。

 精神病患者以上に深く無意識の世界に入り込めますが、左前頭葉の働きの賦活により病気から守られています。無意識の世界は、現実以上に情報がたくさんあり混沌としていると言います。その世界のあまりの智恵の多さと甘美に心をうばわれてしまう人がいて、そこから智恵をとるには危ない人がいるようですが、平田さんの脳では、脳の理性の働きのために、グーグルのようにキーワード検索しないと情報が入らないようになっているようです。

平田さんは数字操作に困難さがあるのですが、小さい時からあの世(集合的無意識)から答えを引っ張ってきていたので、答えは出せても、意識して式が考え出せなかったのです。自分の考えや企画もそうですが、パソコンのように答えがすぐに出てきて、それを脳のもう一つの目で見て書きうつすので、そこまでいたった経路を説明してほしいと言われてもできないようです。数字操作に弱く、理論理屈に苦手でも、直感で答えを導き出す感覚さえ持ち合わせていれば、世の中のいろんなトラブルに惑わされずにすむのです。

この無意識の世界の検索は危うくもありますが、世の中を変える人たちが持っている特質であり、発達障がいがある人たちは感謝を持ってこの能力を使えばすばらしいことが起こるはずだと平田さんは信じています。「悪の心」はエネルギーがあり行動力がありますが、「善の心」ではエネルギーがたりなく弱いので、悪の力を善のみに使えばよいのだと言います。

平田さんの場合、「おまかせする」という気持ちがでてきた時に、攻撃性が少なくなったと言います。発達障がいがあろうとなかろうと、人として生きる上で一番大切なのは「人間性」であり、「感謝する心」があり「お互い様」の心があることが、発達障がいを越える力になると平田さんは考えています。